お泊り会

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「まあ、俺は止めないし頑張ってみろよ。今回は敵がもう一人増えるけどな。」 「へっ?」 もう一人? 「雄太、お前の高校入ってからの万年四位の原因がもう一人ここにいるだろ。」 連がそういいながら視線を別の方向に向けた。 俺もその視線の先を追ってみると…… 「……北原さん?」 えっ?それってつまり…… 「あ、そうそう。莉奈、前回は負けちゃったけど今回は負けないよ?」 「通算したらあたしの方がまだ負けてるからね、今回も負けられないかな。」 ……もしかして 「……北原さんがもう一人の俺の上にいた人?」 「何、知らなかったの?」 俺の問いはそっけない表情でさらっと返された。 「……マジですか。」 えぇ~……。 なんでよりによって北原さんなの……。 ってことは俺は北原さんと仲良くなったせいで余計に長所が霞んでるじゃん……。 なんていうかこれ……自爆? 「雄太、彼女に負けっぱなしじゃいられないよな?」 「ぐっ……」 二人だけで十分お腹いっぱいだったのにまた目標が増えちゃったよ……。 別に数増えたからって代わるものじゃないけどさ……なんか気持ち的にしんどい。 ヤバいな……勝てるかな……。 「ぬぅ……この三人を超えるような凄まじい勉強をしないといけないのか……。」 二三日は連続で徹夜するくらいの覚悟は必要かな……。 いや、それじゃまだ足りないかも……。 「……ねえ田中、そんなにあたし達に勝ちたいんならさ、家で勉強会でもする?この四人組で。」 「……へっ?」 勉強会……? 「あっ、それ楽しそうだねー。」 北原さんの提案に沙希が興味深々な顔になる。 「いや、なんで勉強会?」 「だって皆で勉強すればあたし達のやり方を田中も見れるでしょ?しかも分からない問題を教えてあげられるだろうし。」 確かに……。 出来る人の勉強方法を知るのはありかも。 分からないところをすぐに教えてもらえるのもかなり心強い。 「……まあ、そんなの田中のプライドが許さないかも――」 「やろう!勉強会!」
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