お泊り会

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「……プライドとかは無いの?」 「普段から分からないところは連に聞いてるくらいなので大丈夫です!」 プライドじゃ飯は食っていけない的なね! 「あ、そう……。じゃあ二人もいい?」 北原さんが沙希と連の方を向く。 「あたしは大賛成だよ!」 「俺も特に予定は無いしな。」 「じゃ、決まり。日程は……まあ、今週の土日でいいよね。」 土日? へえ、二日もやるんだ。 「えっと、寝具はまあなんとかなるし……歯ブラシと着替えと勉強道具だけ持って来てくれればいいから。」 ……ん? 寝具?歯ブラシ? これってまさか…… 「ねえ、莉奈。もしかしてこれ……泊まりなの?」 俺と同じ所が引っ掛かったらしく、沙希が北原さんに聞き返す。 「……えっ?勉強会ってそういうものじゃないの?」 北原さんが意外そうな顔になる。 …………。 「……ねえ、雄太。」 「……うん。」 これは……あれだ。 北原さんは今まで人付き合いをしなさ過ぎたせいで、友達同士でやるイベントの知識が少しズレてる。 多分近くの席のクラスメートのお泊りの勉強会が耳に入って、それが普通なんだと思い込んでるんだ。 「ねえ、あたし何か変なこと言った?」 …………。 「……ほら、雄太!」 「俺が!?」 沙希と連が早くしろといわんばかりの視線を俺に向ける。 ………まあ、仕方ないか。 「あの……北原さん。勉強会というものはですね、日中に図書館や誰かの家でやって夜は帰るっていうのが割とポピュラーなパターンだったりしまして……」 「……えっ?」 北原さんが驚愕の表情を浮かべる。 「じゃあお泊りっていうのは……」 「それもあるけど、別に必ずそうって訳じゃ……。」 「なんだ、あるならいいでしょ。じゃあお泊り勉強会ってことで。」 「ええっ!?」 柔軟すぎません!?
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