第二章 戦闘準備

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海賊衆の一同が忠信に忠誠を誓い、深く低頭した。 「こちらこそ、お願い致します」 突貫工事で太地の水軍基地を築いていた。 未完成中の基地内の矢倉に忠信・梶秀・昌幸・側近数人が集まっていた。 「梶秀、突貫工事中に兵三千の半数を割いて、軍艦(商船を改造したもの)でよい。鉄甲船を数隻でよいから作ってくれ」 「安宅船と小舟も作ってくれ」 「だが、あくまでも基地と鉄甲船を作るのを優先してくれ」 「新宮城に戻る、頼むぞ!?」 「畏まりました」 梶秀が深く低頭し、忠信一向は、新宮城に帰城した。 新宮城に戻った。 忠信は、新宮城の増築を開始した。 それからおよそ、一年の歳月が経ち、太地港には、武山水軍基地が完成した。 鉄甲船は、三隻(各、300人乗り)が精一杯であった。 大砲は、一隻に付き、六門(三隻で十八門である) だが、安宅船(50人乗り)が三十隻。 小舟が十隻(10人乗り) 兵員は、三千である。 指揮は、武山梶秀がとっている。 日々、訓練に勤めていた。 那智原始林で、秘密兵器を任されていた。 島三十郎は、連発銃を二千丁。 大砲を十門。 鉄の車を五百台作ったものと一緒に新宮城内に運び入れた。 手勢二千とともに。 すぐに、鉄砲名人と鉄砲鍛冶の数名を兄者(重秀)の城に帰国させた。 「いよいよ、第六天魔王(織田信長)が紀伊に攻めて来る気配がある」 「作戦会議のために、和歌山城に出仕せよとの義父上の命令じゃ」 「留守を頼むぞ、昌幸」 「はっ、一命に代えましても、城を死守いたします」 昌幸が低頭した。 忠信は、島三十郎と側近数名と兵五百を率い、武山水軍に守られ、和歌山城に着いた。 評定の間には、上座に義父上の鈴木佐大夫。 左右には、佐大夫の息子。 重兼・重秀が座り、その下に養子(客将)忠信が座った。 佐大夫の家老、海野佐秀・平野将監の二人とその下には、家来衆が列ぶ。 まずは、当主自らが話し始めた。 「間者によると明日、信長が岐阜城を発つとの情報が入った」 「およそ、十二万の大軍勢である」 「信長は、軍勢を三手に分け、和歌山城と橋本城と新宮城攻撃に向ける予定らしい」 「皆、第六天魔王に根来・雑賀衆の恐ろしさを見せ付けてやろうぞ!?」 「お~お」 一同から歓声が上がり皆持ち場に着いた
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