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海賊衆の一同が忠信に忠誠を誓い、深く低頭した。
「こちらこそ、お願い致します」
突貫工事で太地の水軍基地を築いていた。
未完成中の基地内の矢倉に忠信・梶秀・昌幸・側近数人が集まっていた。
「梶秀、突貫工事中に兵三千の半数を割いて、軍艦(商船を改造したもの)でよい。鉄甲船を数隻でよいから作ってくれ」
「安宅船と小舟も作ってくれ」
「だが、あくまでも基地と鉄甲船を作るのを優先してくれ」
「新宮城に戻る、頼むぞ!?」
「畏まりました」
梶秀が深く低頭し、忠信一向は、新宮城に帰城した。
新宮城に戻った。
忠信は、新宮城の増築を開始した。
それからおよそ、一年の歳月が経ち、太地港には、武山水軍基地が完成した。
鉄甲船は、三隻(各、300人乗り)が精一杯であった。
大砲は、一隻に付き、六門(三隻で十八門である)
だが、安宅船(50人乗り)が三十隻。
小舟が十隻(10人乗り)
兵員は、三千である。
指揮は、武山梶秀がとっている。
日々、訓練に勤めていた。
那智原始林で、秘密兵器を任されていた。
島三十郎は、連発銃を二千丁。
大砲を十門。
鉄の車を五百台作ったものと一緒に新宮城内に運び入れた。
手勢二千とともに。
すぐに、鉄砲名人と鉄砲鍛冶の数名を兄者(重秀)の城に帰国させた。
「いよいよ、第六天魔王(織田信長)が紀伊に攻めて来る気配がある」
「作戦会議のために、和歌山城に出仕せよとの義父上の命令じゃ」
「留守を頼むぞ、昌幸」
「はっ、一命に代えましても、城を死守いたします」
昌幸が低頭した。
忠信は、島三十郎と側近数名と兵五百を率い、武山水軍に守られ、和歌山城に着いた。
評定の間には、上座に義父上の鈴木佐大夫。
左右には、佐大夫の息子。
重兼・重秀が座り、その下に養子(客将)忠信が座った。
佐大夫の家老、海野佐秀・平野将監の二人とその下には、家来衆が列ぶ。
まずは、当主自らが話し始めた。
「間者によると明日、信長が岐阜城を発つとの情報が入った」
「およそ、十二万の大軍勢である」
「信長は、軍勢を三手に分け、和歌山城と橋本城と新宮城攻撃に向ける予定らしい」
「皆、第六天魔王に根来・雑賀衆の恐ろしさを見せ付けてやろうぞ!?」
「お~お」
一同から歓声が上がり皆持ち場に着いた
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