第三章 紀伊征伐

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第三章 紀伊征伐

天正5年(1577)2月3日。 岐阜城内の評定の間にて、織田家臣一同が主を待っていた。 誰一人として、声を発する者はいない。 ドカ、ドカ、ドスと主は、廊下より上座に座る。 寵愛している。 森蘭丸が信長の太刀を持って背後にて控えていた。 「皆、遠路遥々大儀であった」 「これより、紀伊征伐を行う。意見がある者は言うが良い」 誰からも反論が出て来ない。 反論出来ないのが、正しいのであるが。 「十二万の軍勢を三手に分ける」 「橋本城攻めの大将は信忠に任せる。兵三万を預ける」 「はっ、父上の御希望に添えるように励みまする」 嫡子の信忠が深く低頭した。 「続いて、新宮城攻めの大将は、信雄に任せる。三万の兵を預ける。励めよ」 「ははっ、兄上以上の功名を上げて見せまする」 「逞しくなったの、信雄」 「ははっ、有り難き幸せにございます」 「本隊は、儂自ら六万の軍勢を率いて、和歌山城を攻める」 陣立ては、次の通りである。 橋本城攻撃部隊。 大将 織田信忠 兵五千。 副将 滝川一益 兵五千。 大手門攻撃隊 河尻秀隆二千。 二番備え 池田恒興 三千。 搦手 先備え 本多平八郎忠勝 三千。 二番備え 榊原康政 二千。 本備え 徳川家康 五千。 総勢三万である。 新宮城攻撃部隊。 大将 織田信雄 一万。 副将 柴田勝家 八千。 大手門 先備え 佐久間盛政 二千。 二番備え 前田利家 三千。 搦手 先備え 佐々成政 三千。 二番備え 丹羽長秀 四千。 こちらも、総勢三万である。 和歌山城攻撃部隊。 総大将 本陣 織田信長 三万。 本陣後備え 羽柴秀吉 一万。 大手門 先備え 掘政秀三千。 二番備え 蒲生氏郷 二千。 搦手 先備え 織田信孝 八千。 二番備え 明智光秀 七千。 総勢六万であり、三軍合わせて、十二万の大軍勢であった。 「鈴木佐大夫の首を討ち取り、紀伊を占領致そうぞ。皆の衆、いざ出陣じゃ!!」 「お~お」 織田家臣一同から歓声が上がり、織田・徳川勢の十二万は、三手に分かれて進軍を開始した。 果して、鈴木家は、劣勢ながら、第六天魔王を倒す事が出来るだろうか!? 次話では、合戦がメインになりますが、誤字&脱字&知識不足には、ご勘弁をお願い致します。
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