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2月5日。
和歌山城内の一室にいる、佐大夫の元に一人の間者が書状を手渡した。
「根来城・橋本城・新宮城に2月3日に織田信長が岐阜を発ったと伝えよ」
ドス。
金塊の入った袋を間者に渡した。
ニヤリと間者は笑みを残し、その場を去り、手下を三方に向かわせた。
根来城に岡左内の兵二千を残して。
鈴木重秀から一兵卒に変装して(雑賀孫一)となり、兵士三千名を率いて、岩出城に入った。信長が和歌山城と根来城を攻撃した場合、織田本陣に奇襲攻撃を仕掛ける為である。
橋本城内では、篭城の準備をしていた。各々が持ち場についていた。
新宮城だけは、違っていた。
「忠信様、徴兵をしたため、兵が七千五百人に増えました」
島三十郎が報告する。
「島三十郎、この城を二千五百の兵にて死守致せ。連発銃を千丁残す。よいな!?」
「ははっ、一命に代えましても城を死守いたします」
「皆の衆、出陣じゃ!!」
「お~お」
家来から歓声が上がる。
急ぎ足で、忠信・昌幸と家来達の後を兵五千が追う。
武山水軍基地に着き。
織田信雄隊が陸路を進軍して来て、御浜に陣を構えている。
との情報を得て、太地港より海路にて、五千の兵(鉄の車隊)を武山梶秀率いる、武山水軍(兵三千)に守られながら、熊野に向かった。
信雄隊の背後を襲うためである。
信雄の軍勢三万は、新宮城に攻撃を開始した。
新宮城攻撃部隊。
大将 織田信雄 一万。
副将 柴田勝家 八千。
大手門 先備え 佐久間盛政 二千。
二番備え 前田利家 三千。
搦手 先備え 佐々成政 三千。
二番備え 丹羽長秀 四千。
総勢三万である。
忠信勢は、僅かに二千五百であった。
城内では、島三十郎が大手門に兵五百。
搦手に兵千を派遣して。自らは、本丸にて、一千の兵(連発銃隊)と城の指揮を取る。
だが多勢に無勢で、大手門と搦手を放棄して、一千三百の兵は、本丸に篭った。
本丸は何故が四つある、矢倉より低いところにあった。
その頃、忠信の鉄の車隊五千(五百台)は熊野に無事上陸し、武山水軍は周囲を警戒しつつ、基地に帰還するために、熊野を出発した。
忠信勢は、鉄の車(五百台)に乗車して、先頭の指揮所にて、指揮を取る。
「前進、信雄の背後を突くのだ!!」
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