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「ま、まぁなんだ、匠弥はあんまし考え事すんな。うん!」
「は?・・・うー・・・あぁ、そうするよ・・・なるべく・・・」
「お、先生が来たぞ。」
「ん?なんか騒がしいな・・・」
俺はいつものように本を読み始めた。
だけど今日はなにか胸騒ぎがする・・・
先生の一言からページをめくる動作が止まった。
俺は顔を上げて目を大きく開いた。
「今日からこのクラスに転入してきたイギリスからの帰国子女の宝星千愛楽さんだ。」
俺は信じられないという顔をしているだろう。
だって・・・今イギリスって・・・
そんな馬鹿なこと・・・
「イギリス・ウェールズから来ました宝星千愛莱です。日本の事を沢山教えてくださいね。これからもよろしくお願いします。」
「可愛いーw」「 日本語うまいねーw」「イギリスってことはお嬢様?!」
色んな質問をされて困ってる千愛莱・・・。
間違いなくあの子はあの日から音信不通になった千愛莱本人だ。
俺は信じられない行動をとってしまった。
パンパン!!!
「はいはい、彼女が困ってるだろ?一人ずつ質問しないと・・・なっ?」
「ありがとう、神楽坂君。」
「な、神楽坂君て・・・知り合い!!?」
ズキッ・・・
そんな紛れもない言葉に心が痛む・・・
そんなんだったらいいなって思う・・・
「ち、ちげーよ。今日たまたま会ったんだよ。」
そう俺は言った。
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