1/1
前へ
/16ページ
次へ

秋風に皺を寄せる水面、 空間に圧されるか、圧す感覚。 ただ、見つめた。 この、身体で。 執拗な陽の光に目を細め、 とても待ち遠しい、変われる時。 ただ、見つめてた。 春ばかりを。 来る筈も無い、その時を。 降り始めた雨に、 どうしたらいいのか分からないまま。 早く止むことを願い、生きる。 夏空に唄を覚えた蝉、 感覚に芽生えたもの、立ち止まる。 ただ、目を閉じた。 我が儘に。 来る筈も無い、待ち人と。 行き過ぎる雲に、 どうしてここに居るのかを得られず、 にじり寄る焦りと、生きる。 待ち侘びる俺に、 明日は何を与えてくれる。 何時応えてくれる。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加