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パウアは古き森妖精、アルフの少女だ。アルフは森妖精エルフの古代種で、ここケルカの森などごく一部にしかいない。
パウアの両親は、旅先で亡くなったという。長を始めこのケルカの森で、トュリートを家族のように生活してきた。森の外に出たことはおろか、アルフやエルフ以外の人種と接したこともない。それで今まで何の疑問もなく生活してきたのに、ある日突然、トュリートは旅立ってしまった。
「やらなければならないことが、できたんだよ。」
とだけ言い残して。
「やらなければいけない…こと」
アルフのトュリートでなければならないこと?
危険だという外の世界にわざわざ行かなければいけないこと?
詳しい事は何ひとつ教えてもらえないまま、だった。
「私も…行きたかった…」
実際、旅の心得もない自分がついていけば足でまといなのは明らかだった。けど、トュリートが両親のように、二度と帰ってこない気がして。どうしても、ついていきたかった。
…もちろん、許される事はなかったけれど。
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