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"パウア?"
ふと、後ろから気配を感じて振り返ると、そこには一角獣、ユニコーンのトューリーがそっと佇んでいた。
全身真っ白な毛並みに、銀色のタテガミ。
深い森の様な碧のひとみ。
「トューリー…」
"パウア、サミシイネ…トュリートニ、アイタインダネ"
すっと立ち上がり、トューリーの元へ歩いていく。
そっと首を撫でて、柔らかなタテガミをなでる。
「うん…」
"モリノソトヘ、イッテシマウノ?パウアモ"
「行かせて…もらえないよ。1人じゃなお、いけない…」
"…"
パウアはトューリーとも、兄弟のように育った。寂しいのは、トューリーも同じだ。トュリートが小さい頃からトューリーはこのユニコーンの森にいて、いつも一緒に遊んでいたのだから。
ユニコーンの角は万病に効くとされ、絶滅に瀕している。ここケルカの森は不可侵条約により、外界のものは入る事はできない。さらにユニコーンの森は、結界で守られており、アルフ以外はその場所を知ることすらできない。トューリーもまた、トュリートとの別れを悲しんでいる。
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