輪舞-ロンド-

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どこにでもあるような、小さな茂み。 もう辺りは薄暗いのだが、夜目の効くティム達には問題なく見える、はず。 だが。 「あの黒い部分はなんだろう?」 ティムが指差した先には、ほんの手のひらほどだが、ぽっかり空いた様な真っ黒な穴が開いていた。 「…ほんと。なにかしら、おかしいわね。」 何故か、近づく気にはなれなかった。2人とも、少し離れた場所からその穴を見ていた。 かさかさっ。 茂みの向こうから、野うさぎがこちらへ向かってきた。パウア達を恐れる風ではなく、ぴょんぴょんとはねてくる。 あ、かわいい。 パウアがそう、口にしようとしたその時。 ひゅうっ。 音にすればそんな感じだったが、実際には音はしなかった。 野うさぎは、黒い穴の数センチ離れた辺りに着地したのだが、まるで飲まれるように、黒い穴に吸い込まれて、消えた。 「…!!」
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