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22時ということは、普通なら未成年がそう易々とこんな怪しく危ない夜の繁華街を出歩いていいわけはない。
だが、たまには役に立つことにこの見た目のお陰で、既に利用制限が掛かった場所でもすんなりと出入りが出来る。そんなわけで悲しいことだがある意味、ラッキーでもある。
今日も何時ものようにどこか手軽なマンガ喫茶にでも泊まろうか……と思っていた矢先、運悪く見回り中の一人の警察官に声を掛けられる。
行き成り訳も解らず声を掛けられた事に、機嫌を悪くして思わず先程の二人組と同じく睨みを効かしてしまったのだ。
「…あ゛?」
「キミ、その格好は…制服だよね?」
「………」
ここで面倒な事になってしまった、と思ったのは言うまでもない。どうしてこんなタイミングに出会すんだ。
と言うよりもやはり警察官というものは伊達じゃないらしい。何時もなら何度か怪しまれたりもしたが実際に聞かれはしなかったのに、今回は簡単に制服だと気付かれてしまった。
言わずとも未成年だと気付かれてしまった以上、抵抗するのも後々面倒なので黙って相手に連れられて近くの交番にやってきた。
「全く、なんでこんな時間にあんなとこに…ちゃんと親御さんには連絡しておいたから」
―――最悪だ、最悪以外の何物でもない
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