いつか来る幸せ

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別に俺はチヒロさんが暗い、とか思っているわけではありません。 確かにあまりしゃべっているところは見ませんが・・・声をかければ普通に話してくれますし、お友達と一緒に笑ってるところもよく見ます。 そんなチヒロさんに何て声をかけようか迷っていると、遠くから俺を呼ぶ声が聞こえてきました。 「おーい!シャオ!」 声のした方角に目を向けると、ケビンがいました。 下を向いていたチヒロさんは驚いたようにケビンのほうを見ています。 俺のところにやってきたケビンは俺とチヒロさんを交互に見てから、チヒロさんに向かって笑顔を浮かべました。 「シャオの友達?俺はシャオと同じ下宿のケビン・レイナードです」 「あっ、えっと、シャオユーくんと同じゼミの浅田千尋です」 そう言ったチヒロさんにケビンはいきなり抱きつきました。 俺も驚きましたが、もっと驚いているのはチヒロさんのほうです。 チヒロさんは顔を真っ赤にして、ケビンの顔を拳で殴りつけました。 チヒロさんは見かけによらず、力強い人のようです。
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