いつか来る幸せ

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「一年以上も日本に住んでて、日本にはハグの習慣がないことを知らないんですか?」 「あぁ!」 俺の言いたいことに気付いたのか、ケビンはチヒロさんに手を合わせる。 「ごめんなさい!ハグするのが習慣だったからつい、癖で。本当にごめんなさい!」 「そ、そんな。察せなかったわたしも悪いので。頭を上げてください」 チヒロさんは謝られて冷静さを取り戻したのか、平謝りするケビンを前に焦っている。 そんなふたりを見ていたら、なんだか笑いがこみ上げてきました。 なんとか、笑いを噛み殺そうとしましたが、無理でした。 笑い出した俺をチヒロさんが驚いたように見ていました。 「びっくりした・・・。シャオユーくんがこんなに笑ってるとこ初めて見た」 「シャオはツボにはまるとすっごい笑うよ」 ケビンがチヒロさんにそう説明していました。 やっと、笑いが収まってきた俺はお腹をかかえたまま、チヒロさんを見ます。
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