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｢･･･チヒロさんがこんなにおもしろい人だったとは思いませんでした･･｣
｢じゃあ、あの、もしかして今の笑いのツボって･･･わたし？｣
困った顔をして自分を指差すチヒロさん。
その姿もいちいちツボにはまってしまいます。
俺は笑いをこらえながら、頷きました。
すると、チヒロさんは怒ったような顔になりました。
｢ひどい･･･。人が焦ってる姿や困ってる姿見て笑うなんて･･･｣
チヒロさんは俺を軽く睨むとそのまま走って、俺の前から去っていきました。
｢シャオー。確かにひどいよ。そういうので笑うの｣
｢そうですね。笑いすぎました。でも、｣
｢でも？｣
｢いえ、何も｣
でも、こんなにからかい甲斐のある人はひさびさに見ました。
アカリ以来でしょうか。
これから楽しくなりそうな予感。
俺は少しだけ目を細めて、チヒロさんの走っていく姿を見送りました。
END
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