振り回される幸せと振り回す幸せ

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「サトル!」 休日の午後。 リビングにはわたしとサトルだけ。 ソファーに座って読書をするサトルの隣に陣取ったわたしは、話題を探してはサトルに振ってみる。 けれど、返ってくるのは『へぇー』や『うん』や『そうなんだ』だけ! 痺れを切らしたわたしは、思わずサトルの名前を叫んでいた。 「何?どうしたの?」 サトルはようやくさっきの言葉以外の言葉を発した。 でも、視線は本に向けたまま。 わたしのことなんてちっとも見てない! 「わたしの話聞いてないでしょ!」 わたしがヒステリックぎみに叫んでも、サトルの視線はまだ本の中。
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