プロローグ

3/5
前へ
/244ページ
次へ
「(歪んでる…)」 俺はそう思った。 親父はもう俺が思っている人物とは全くの別人のようだった。 「早くお前も戦闘の準備をしたらどうだ。今日はマカナ村を堕とす。」 そう。俺も戦闘に参加させられていたんだ。 ヴォルビス国王の実の息子ってだけはあって…俺は生まれた時からかなり優秀な魔術者だった。 俺は親父に大人しく従ってた。 今日も村を攻める。 アンビス帝国の邪魔が入ることもあるが、ヴォルビス王国の兵士の方が勝る。 攻めて堕とせなかった村や町は…まだ1つも無かった。 そう。あの時はたまたまだった。 俺達が攻めたマカナ村。 村は殺風景で木々が生い茂り、民家が立ち並ぶ。 村を歩くのは女と子供達。 そこは女と子供ばかりだった。 戦えるようなやつは1人も居なかった。 流石にこんな村攻めなくて良いだろって思った。 だけど俺達の部隊の隊長に値するやつが何も言わずに、子供を守るように抱く女を撃ったんだ。 唖然としたよ。 まさか。嘘だろ。って思ったけど現実は非情だったんだ。 女は倒れ、子供は地面に落ちた。 それを発端に兵士はマカナ村を攻め始めた。 俺は…そん時の俺は…何を思ったんだろうな? 俺は女を撃とうとする兵士を…………斬りつけた。
/244ページ

最初のコメントを投稿しよう!

25人が本棚に入れています
本棚に追加