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「(歪んでる…)」
俺はそう思った。
親父はもう俺が思っている人物とは全くの別人のようだった。
「早くお前も戦闘の準備をしたらどうだ。今日はマカナ村を堕とす。」
そう。俺も戦闘に参加させられていたんだ。
ヴォルビス国王の実の息子ってだけはあって…俺は生まれた時からかなり優秀な魔術者だった。
俺は親父に大人しく従ってた。
今日も村を攻める。
アンビス帝国の邪魔が入ることもあるが、ヴォルビス王国の兵士の方が勝る。
攻めて堕とせなかった村や町は…まだ1つも無かった。
そう。あの時はたまたまだった。
俺達が攻めたマカナ村。
村は殺風景で木々が生い茂り、民家が立ち並ぶ。
村を歩くのは女と子供達。
そこは女と子供ばかりだった。
戦えるようなやつは1人も居なかった。
流石にこんな村攻めなくて良いだろって思った。
だけど俺達の部隊の隊長に値するやつが何も言わずに、子供を守るように抱く女を撃ったんだ。
唖然としたよ。
まさか。嘘だろ。って思ったけど現実は非情だったんだ。
女は倒れ、子供は地面に落ちた。
それを発端に兵士はマカナ村を攻め始めた。
俺は…そん時の俺は…何を思ったんだろうな?
俺は女を撃とうとする兵士を…………斬りつけた。
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