1.当たりくじ。

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「……なーんてね!じゃ、また入学式でね。ばいばい」 「……あ、ちょっと!」 結衣はいつも通りの笑顔で、でも、俺の言葉に反応せずに帰っていった。 “今日は帰りたくない” その言葉がまだ脳裏に残っていた。 そして、心臓がバクバク鳴っていることに気が付いた。 ……なんで、さっき結衣を引き止めなかったんだろう。 こんなに心臓が高鳴るほど、アイツのこと好きなのに…… そんなことばっかり考えると、後悔と恥ずかしさが俺を襲った。 あーあ、入学式にどんな面して会えばいいんだよ…… ――そして、4月。 いよいよ入学式当日が来てしまった。
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