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当時はダイヤル式の黒電話。 鳴り止まない電話に多少の胸騒ぎを覚えつつ、受話器を取った。 『………もしもし?』 受話器の向こうから、聞き慣れない年配と思しき女性の声がした。 『もしもし?○○さんのお宅ですか?』 私は、おずおずと 『あ、はい…。』 と、言い、相手の言葉を待った。 『□□病院の、△△と申します。私は家内なんですが…おたくのね?○○君が、うちの裏山にある竹林で、お友達と遊んでいて、怪我しちゃったのよ。お父さんか、お母さんいらっしゃるかしら?』 『…いえ…。今は2人とも家には居ません。○○は私の弟ですが、怪我の具合はどんなものでしょうか?』 『あら、お姉ちゃんなのね?…それがねぇ、竹の切り株を踏みつけて、足の裏に突き刺さったの。応急処置はしましたけどね?お医者に見てもらった方がいいと思うわ?…だけど○○君、歩けないみたいでね。』
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