雑録 寒くて寂しかった夏

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私の身体は、気温の変化にとても弱い。 自律神経失調症のお墨付きをもらって以来、すべての症状がでそろいつくした後も、 慢性的な不眠症とこれはいまだに続いている。 とにかく、めまいと吐き気がとまらない。 それでも、働かなくてはいけないから、ソラナックスとワイパックスを口で溶かしながら、仕事に向かっている。 雨は嫌い、まとわりつく湿気も嫌い。逃げ出したい、逃げたい、厭だ助けて、全身が気持ち悪い! 喉元まで胃液が込み上げてくる、足元が揺れる、いま何処にいるのか判らない! 甘えと呼ばわられるのは、もう慣れた。 こんな人間を、雇ってくれている会社側には心から感謝している。 明日のことなんて考えたくない。 ただ、今日だけ、どんなに平凡な一日でも、少しでも「普通の人間」として暮らしたい。 それは突然だった。 8月始めの週に、知り合いが自殺した。 あぁ、また置いていかれたよ、もう何人目か忘れたよ…
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