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「あ~っ!
やっぱりトキメキが無いよぉ~!」
授業終わりの廊下で、
少女が嘆いている。
少女と呼んで良いのだろうか
彼女は今年、二十歳になった。
華の十代が終わってしまい、謎の焦燥感を抱いているようだ。
結城 晴
ゆうき せい
そんな彼女の名前だ。
「またそんな事言ってるー。
ハレちゃん、どんだけトキメキたいの?」
ハレ。
晴は友達には、セイでは無くハレと呼ばれている。
「だって~、
気になる男が全然いなかったからさ~。
むしろ、友達とも離れちゃったし、
授業頑張ろって感じだね~」
晴はリュックを背負い直し外に出ると、
肌寒くなってきた風を一気に吸い込んだ。
あぁ、二年目の秋も、何も無く過ぎていくのかー。
と思った。
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