第一章

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「それでね、妹が肉ばっかり食べるから、 何だこのやろー! って感じ。」 「え~、うちはどうだろう。 あんま食べ物で争わないねぇ。」 「うちも~。 でも、何だかお姉ちゃんに馬鹿にされる。」 昼休み、いつものメンバーで昼食を食べている。 晴を含めて五人。 仲が良い友達は、この四人くらいである。 「へ~、そうなんだ~。 ハレの所は? あれ、弟がいるんだっけ?」 晴は、冷凍食品の唐揚げを食べていて、いきなり話を振られたので、びっくりした。 勿論、話を聞いていなかった訳では無い。 ただ、話題があまり宜しく無かった。 「え、うん。 弟がいるねー。」 「ハレちゃんの弟さんは、高校生なんだよね~。」 「まぁ、そうだね、うん。」 晴には、あまり触れて欲しく無い話題であった。 「そっか~、うちの弟は中学生だからね~。 喧嘩はしないかなー。」 「そういえばさ、 実験のグループ決まったかな?」 「あ~、誰と一緒になるかな~。」 話題が変わって、晴はほっとした。 兄弟の話 触れて欲しく無い。 晴は残りのご飯を食べ終え、 どんどん移り変わっていく話題を、 うんうんと聞いていた。
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