さみしいけもの

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「行ったことがないからわからない。」 「行けないの?」 「行こうと思えば行ける。」 「そこにいるぐずりは、どんなぐずりかしら。」 「わからない。」 ぐずりは、遠くの山に別のぐずりがいるかもしれないと思いました。 「どんなぐずりだといいと思う?」 「…ピンクのリボンをつけてると…」 ぐずりは、しまったと思いました。人間相手にくだらないことを…。 こいつを泣かさなきゃ! でなきゃ俺が、俺が、さみしくて…。 「ピンクのリボンのかわいいぐずりだね。会えるよ、きっと。」 「俺は、俺は、」 どうしたことでしょうね。 ぐずりは、さみしくて、さみしくて誰かを泣かさなきゃいられない気分が消えていました。
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