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三階にある俺達の教室を飛び出してから、約30秒程だろうか。階段を駆け降りて少し歩いた所に、校長室はあった。
そして、その校長室にあるただ一つの窓の前に、噂の銅像は据え置いてあった。
「あれが…」
隣に立つ友人達の唾を飲む音が、俺の耳に届いて来る。
怪談というのは大抵、真夜中の学校を舞台にしたものであるが、これは違う。辺りは真っ暗では無く、まるで血の様な澄んだ紅。
それが逆に、言い様の無い気味悪さを俺達に与えていた。
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