第一章 記憶のない少女

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部屋に入ると、 「おかえり。那織。」 そう言って、優しく綺麗な顔で微笑んでくれる及川薔(オイカワショウ) 「薔、ただいま。」 「今日も、綺麗だね。」 薔は、いつも私に会うと必ず言う。 「ありがと。」 私も、いつもの台詞で返す。 「お前、誰と居たわけあの場所に。」 そう、聞いてくるのは、 宮部太陽(ミヤベタイヨウ) 「....彼氏?」 「嘘つけ。なんだ、今の間は。」 「だってねえ。」 梓に同意を求めると、 「.....知るか。」 そう言って、そっぽを向いてしまった。 「ざまあみろ。」 .... 「太陽、那織の事苛めるな。 那織の綺麗な顔がどんどん歪んでいく。」 薔は、優しい。 「お前は、変態か。」 「黙れ、ヤクザ。」 楽しそう。
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