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少しばかり、木の間をぬって歩いた先にあった家は…
民家というよりお屋敷だった。
どれぐらいの大きさなんて、口では言い表せないぐらいだ。
『なんだここ…、こんな辺鄙なところにこんな馬鹿でかい家があるんだ?』
行くかどうか少し迷ったが、凍え死ぬよりはマシだろうと、その屋敷のドアを鳴らした。
ピンポーーーーーン
辺り一面に鳴り響いてるのではないかと思うぐらい大きな音をたてて、ここの主を呼び出した。
ギィィィィィィーー
嫌な音と共にドアはゆっくりと開いた。
そこには70歳ほどの男性が立っていた。
「いらっしゃいませ。ようこそバール邸へ。佐伯琢磨さま、お待ちしておりましたよ」
彼がニコリと笑った瞬間、後ろの扉が閉まった。
琢磨は一瞬にして、ここを尋ねたことを後悔した。
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