始まりの日②

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**********    歩くことゲーム内体感時間にして30分程度、目的地の森の入り口へ到着した。 「一応、ユーザーの確認しておかないと…」  こっちの攻撃に巻き込まれたら当然KILLされるわけで…そうなると本末転倒。この辺りで活動するレベル帯のユーザーなど、こちらの攻撃がうっかりかすっただけで確実に死ぬ訳でもあるし。 『【call】command:GM【認証】No.13……OK.【ran】マップサーチ』  森の入り口に一歩入った状態でGMコマンドを起動すると、目の前にこの森のマップが出てきた。そこにはほぼ中央にユーザーを示す赤いマーカーが一つ、入り口にGMアカウントを示す青色が一つ、NPCを示す黄色が二つ…森の中には運良く目的のユーザーしかいないようではある。  通常でもマップ上にマーカーは出るのだが、GMコマンドのマップサーチは1フィールド全域をカバーし各ユーザーの状態も見れる優れモノ、ついでにフィールド内のユーザー数なんかも一発でわかる。 「まぁ、ここのレベル帯のプレイヤーじゃ向かってくような人居ないよねー…」  上級者用フィールドに行けばPKされた相手への御礼参りは日常茶飯事となるが、何度も言うようにここは初心者向けフィールドなのだ。 「フレイ、【警戒】開始。フェンは【臨戦】」 「【警戒】起動します、マスター」 「ゥオンッ!」  先制攻撃を防ぐスキルの【警戒】をフレイに起動してもらい、フェンの状態を先制率を上げる【臨戦】にすると目的と思われる相手に向かって真っ直ぐ近づいて行った。
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