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堪忍袋の緒が切れた。という表現があるが、実際に堪忍袋というものが存在するのなら私の堪忍袋は爆発した。
今日という今日は本当に許さない!
絶ッ対に許さない!
愛してるよ、愛してるよ
浮気というのは心がうわついて変わりやすい、
つまり移り気のことを言うが、
まさに私の恋人兼上司である土方十四郎の心はふわふわとあっちへうろうろ、こっちへうろうろと、“浮わつく”という表現がぴったりな男である。
本人に言わせてみると、色々な女を見て改めてお前の良さを実感してるんだ、とかなんだとか。私に言わせてみればというか、世間一般からみてもただの浮気男の常套句でしかない。
そんな男である。浮気の回数は片手と言わず、両手を用いても足りず、両手両足でギリギリセーフだ。
同僚の山崎からも「なんで付き合ってるのってゆうかなんで別れないの?」
と常日頃、それこそ顔を合わせる度に言われる。
理由としてはやっぱり最後は私の元に帰ってきてくれる。というこちらも駄目女の典型的言い訳をしていた。そう、やっぱりどんな女を相手にしても一番は私だという自信があったのだ。
なのに、昨日の夜私の自信は木端微塵となって消えた。
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