三年7

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 「少し落ち着けって。それだけの情報でお前が犯人にされるわけがないだろ。仮に、警察がお前のことを疑っていたとしても、犯人候補の中じゃ、まだまだベンチ外って感じじゃないのか。話を大げさにするなよ。他にも何があったのか?」  佐々木は高屋の沸騰している気持ちを冷やすように冷静に話す。  昨日からこいつを宥めてばかりだ。  最初は高屋の迫力に気圧されていた由利も協力してくれた。 「そうだって。高屋君は犯人じゃないんだから大丈夫でしょ。何にそんなに怒っているの?」  佐々木たちの努力もむなしく、高屋が落ち着く気配はない。 「それで、犯人は二人組らしい。だからあとで俺と一番仲がいいお前も呼ぶってさ。だけど、俺たちが疑われているのなんかどうでもいいんだ。そんなことよりももっと大事なことを聞いてきた。実は昨日、被害にあったのはあの女子高の生徒なんだ」  そう言って駅の方を指差した。  佐々木は嫌な予感がした。  指差した方向が指し示しているものが何かはっきり分かった。  「いいか、佐々木。落ち着いて聞けよ」  高屋が佐々木の目をまっすぐに見てその先を言った。 「その被害者の名前は小林瑞穂だそうだ」  佐々木の嫌な予感は的中してしまった。  小林瑞穂というのは昨日話に出てきた女の子だ。  中学時代から特別親しい仲というわけではなかった。  今でも駅でたまに顔を合わせるがあいさつすらしない。
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