三年7

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 それでも絶句してしまった。  一瞬にして周りの世界が光を失った。  何も見えなくなる。  深い深い暗闇に突き落とされた気分だった。  彼女は自分にとっては大勢いるただの同級生であるはずなのになぜこんな気分になるのだ。  彼女には中学の卒業式の時、告白された。  でもそれは卒業式の一行事のような感覚で捉えていて、ほとんど忘れかけていた。  だからこそ、その後出会うことがあっても特に意識せずに会話出来たと思う。  彼女だけを特別な気持ちで意識したことは一度もないはずだ。  なんとか気を持ち直し高屋に訊ねた。 「彼女は今どうしてる?」  そうあってほしくなかった。  自分では覚悟していたつもりだが、いざ言葉になってぶつけられるとその重みに押しつぶされそうになった。 「自殺したって。ショックのあまり、そのまま」   そして、しばらく沈黙が続いた。  今度は世界が時間を刻むのをやめたようだった。  真っ暗な世界に、ただ高屋の最後の言葉がいつまでも消えることなく宙を漂っている気がした。
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