三年9

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「野球ってほとんど見ないからあんまり分からないけど、何となく言ってることは分かるよ。何でも見えないところで支えてるものの方が大切だもんね」 「でもあいつは自分でサインを出すタイプだからな。もしくはサインにひたすら首を振るタイプだから、キャッチャーからしたら大嫌いなんだよな。自分でリードしてる気がしないから」  由利は吹き出した。 「そんな感じだね」 「とにかく今はあいつに任してみるかな。頭の良さだったらあいつに敵わないし。俺がどうこうするよりあいつがやった方がいい結果が出るだろうし」 「それも一つのサインだよ」  由利がどこまで分かって言っているのかは分からないが、そういう考え方もありだなと思った。
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