三年10

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 佐々木は職員室に向かいながら色々と思い返していた。  高屋が言っていた通り放課後に呼び出されることになった。  由利には後から図書館に行くと言って別れた。  代わりに高屋が図書館まで送ってくれたみたいだ。  職員室のドアをノックして中に入ると、木島に職員室の奥にある来客用の部屋に連れて行かれた。  そして豪華な革張りのソファーに座るように指示された。  木島は佐々木の向かいのソファーに座った。  こちらも佐々木が今座っているものに負けず劣らずの豪華なものだった。  まだ生徒指導の先生が来ていないらしい。  そう言えば、生徒指導の先生って誰だ、と佐々木は思った。  会ったこともないし、名前すら覚えていなかった。 「最近、勉強の方はどうだ?」  木島が訊いてきた。話す話題がないのだろう。 「まあまあじゃないですか」  佐々木は面倒くさかったので木島の顔を見ることもなく適当に答えた。 「そうか」  二人の間に沈黙が流れた。  こういうのを気まずい沈黙と言うのだろうが、今の佐々木にとってはどうでもよかった。  色々と思考を巡らせる。  生徒指導の先生は何をどこまで知っているのか。  それを確かめる必要がある。
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