三年10

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「え、えっと、警察の人に坊主頭の生徒はいないかって言われたんだ。君も知ってると思うが、坊主頭は高屋君ぐらいしかいないだろ」 「自殺した生徒っていうのは本当に小林瑞穂だったんですか?」  まだ高屋に聞いただけだったのでもしかしたら人違いかもしれないという淡い期待があった。 「そうだよ。それがどうかしたのか?」  生徒指導はあっさりと認めてしまった。 「おい。もういいだろう。今日は鈴木先生が話を聞くためにお前を呼んだんだ。これじゃ、あべこべじゃないか」  木島が口を挟んできた。  こいつ、鈴木っていうのか、とこの時初めて知った。  そして木島がなんでここにいるのかと疑問が湧いた。  お前がいる意味はあるのか。 「そうでしたね。すいませんでした。高屋が疑われているって聞いて、少し気が立っていたみたいです」  今回はこれだけの話が聞けただけでも上出来だった。  これ以上食い下がるわけにはいかない。 「で、では、君はこの事件について、何か知っていることはないかい?」  鈴木という名の生徒指導の先生が言ってきた。 「僕は何も知りません。それと、少なくとも、高屋は無関係だと思います」 「それはなぜだ?」  またしても木島が口を挟んできた。  本当になぜこいつがここにいるのだ。  それを論理的に説明出来れば、今頃犯人は捕まっているだろうが。
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