二年1

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「言われてみたらそうかもね。でも、無茶だけはしないでね」  由利が言った。 「大丈夫。俺たちも暴力沙汰で停学なんてのは避けたいからな」  佐々木が答えた。 「でもいざとなったら、実力行使になるかもしれないけどな」 「俺は構わないけど、野球部が暴力事件なんて洒落にならないだろ。もうすぐ夏の予選じゃなかったっけ?」 「あ、そうだ。それはまずい。お前も暴力は気を付けろよ。その場に居ただけで俺も同罪になってしまう」 「実力行使になるかもって言ったのはお前だろうが。他人の心配より、自分の心配しろよ」 「俺は大丈夫だって。何て言ったって、野球部だからな。それはそうと話は変わるが、お前、今度の試合見に来いよ。俺のかっこいいところが見れるぜ。二年生にして、四番キャッチャーだからな」 「遠慮しとくよ。どうせ負けるだろ」  高屋はその言葉には腹が立った。  確かに野球部はここ何年か一回戦すら勝っていない。  でも野球部だって負けるつもりで試合をしていない。  勝ちたいと他の学校と同じように思っている。 「大祐君、そういうこと言っちゃ駄目だよ」  由利が佐々木を窘める。  それでもそんなことないよと言わないのは由利も勝てると思っていないからだ。  まあ、下馬評はそんなものだ。誰も勝てるとは思わない。 「そうだ。そういうこと言っちゃ駄目だ」  佐々木の方を指差す。 「冗談だって。悪かったよ」  そして、高屋たちは食べ終わったゴミを捨てて、ファーストフード店を出た。
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