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「何をしてるんだ!」
高屋の声が狭い廊下に響き渡った。
その声に五人とも驚いて、ビクッと体が浮いた。
恐る恐るこちらを振り返る。
そこにいたのは生徒だったので、まだ事態が飲み込めないといった風で、「何だよ、こいつら」「知らねえよ」と小声で相談ともつかないことを言い合っていた。
「何をしてるんだって訊いてるんだ。どうせいじめなんて、くだらないことをしてたんだろ。最低だな、お前らは」
しばらく待ったが相手に大した反応がなかったことにしびれを切らせて、高屋が早口に言った。
「お、お前らこそ、何でこんなところにいるんだよ?」
一番背の高い男が言ってきた。
背が高いと言っても高屋よりは低い。
ここには誰も来るはずがないと高をくくっていたみたいで、かなり慌てている様が見て取れる。
「何だっていいだろ。とにかく、俺たちはお前らが金を巻き上げているのを見た」
高屋が言った。
高屋に突っかかってきた男の手には千円札が何枚かあった。
「お前ら、まさかいじめを止めに来たとか言うんじゃないだろうな?」
「その通りだ。俺たちはお前らのいじめを止めに来たんだ」
高屋が堂々と宣言した。
最初に大声を出したことで気持ちが昂っている。
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