二年2

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「馬鹿じゃねえのか。そんなのがかっこいいと思ってんのかよ。ダサいんだよ、そんなの。なあ、こいつら、本当にダセえよな」  背の高い男はわざとらしい笑い声をあげて、仲間に同意を求めた。  その笑い声が伝染して、他の三人もくすくす笑い出した。  だがその笑いは明らかにうわべだけのものだと分かる。  そうすることで、こちらよりも優位に立てると思っているみたいだった。 「何がおかしいんだよ?」  高屋は明らかに憤っていた。 「お前らは真面目だもんな。そうやって、いい子ぶって真面目に生きて何が楽しいんだよ? いじめを止めてどうすんの? それがかっこいいとでも思ってんの?」 「かっこいいとか、そういう問題じゃないだろ。誰かが困っていたら助けたいって思うのがいけないって言うのか?」 「だから、それがかっこ悪いって、さっきから何回も言ってるだろ。お前らは、一生、真面目に生きて、ダサい人生送れよ。俺はお前らみたいにはなりたくないね。誰かが決めたルールを守って、大人たちに操られているお前らみたいにはな」  佐々木はこういうことを言う奴を見るとげんなりする。  確かに何のために存在しているか分からないルールも世の中にはある。  だけど、ルールを破って、少し横にずれてみたって、自分が誰が回しているかも分からない世界の上に立っていることに変わりがないということに気付いてないのだ。  それもよどみなく、一定の周期で回り続けている世界の上に。
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