二年2

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 自分に話しかけられていると気付き、いじめられっ子がはっと顔を上げた。  すると、その顔はみるみる紅潮し、明らかに怒っているのが伝わった。  その顔を見た高屋は尻込みをし、それ以上言葉を続けられなかった。  その反応は彼が想像していたものと全く反対だったのだ。  そして、しばしの沈黙があった後、そのままいじめられっ子も去ってしまった。  立ち去り際に、一つの舌打ちを残していった。  佐々木たち二人だけがその空間に取り残されてしまった。
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