二年2

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「俺が間違ってたのかなあ?」  高屋が小さく呟いた。 「今回に関してはお前は間違ってないよ。いじめは確かに止められたんだ。彼がこれから先、いじめられない保証はないけど、俺はいじめられないと思う」 「だけど、俺は怒らせてしまった」 「それは仕方ないだろ。もう少し別のやり方があったとしても、何かを直そうとするとどこかで歪みが出てくるのは避けられない。お前は間違ってない」  佐々木はもう一度念を押した。 「もう一緒に野球出来ないのかな?」 「そうかもしれないけど、ここでごちゃごちゃ悩んでたって仕方ないだろ。彼は少なくともいじめからは救われたんだ。それだけでも良かっただろ」  下手に思ってもないことを言って慰めるよりも事実を言った方がいいと思った。  佐々木はここで一緒にいるよりも、一人にした方がいいと思い、高屋の肩を一回叩いて、「俺は戻っておくから、お前も気持ちの整理がついたら戻ってこいよ」と言った。  そして、佐々木も立ち去ることにした。  その空間には高屋一人だけが取り残された。
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