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授業が終わり教室から出ると、向かいの自習室から出てきた松木とはち合わせた。
「どうも、高屋さん。今日も授業ですか?」
「ああ、そうだ。週四で授業があるから平日はほぼ毎日授業だよ。このままじゃ受験ノイローゼで倒れちゃいそうだ」
「はは、大変ですね」
松木は同情したような表情になった。
「僕も来年にはそうなるんですかね」
「受験生とはそういうもんだ」
「そうなりたくないから今から結構頑張ってるんですけどね」
「お前、まだ帰らないのか?」
松木が鞄を持っていないのに気付いた。
「もうちょっとだけ」
松木は親指と人差し指で一センチぐらいの隙間を作った。
「このあいだの小テストが悪くて親から大目玉食らっちゃいました。次もしくじると洒落にならないんですよ」
「小テストぐらいどうだっていいだろ。あんなのに毎週毎週振り回されてたらもたないぞ」
「一回ぐらいならいいんですけど、それが続いちゃったんですよ。それを先生が家に直接電話しちゃって親はカンカンですよ」
「ろくでもない奴がいるんだな。誰だ、そいつは?」
「監督ですよ。うちの担任なんです。だから人一倍僕には厳しくて」
「お前もついてないな。こんなところで油売ってないで早く勉強しろよ」
「トイレに行こうと思っただけですよ。それで高屋さんと会ったんです。じゃあ言われた通り勉強に取りかかりますよ。高屋さんも頑張ってくださいね」
「おう。お前も頑張れよ」
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