三年12

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 トイレの方へ歩いて行く松木を見届けてから高屋も歩き出した。  松木と話して少し気分が和らいだが、やはり去年のことが頭から離れない。  自分に罪を着せようとするのは奴ら以外にいるのだろうか。  人間の直感というのは馬鹿に出来ない。  これだけ頭にこびりついて離れないというのはそれが答えだからではないのか。  佐々木は三人組の方をあたると言っていたがそれは間違いではないのか。  佐々木はこのことに気付いていないのか。  様々な疑問が頭を駆け巡る。  出来る限り自分からあの時のことは言いたくなかった。  泣いている姿を見られたからだ。  だけど去年みたいに言わずに後悔はしたくない。  もし、月曜日になっても佐々木が去年のことに気付いていなかったら自分から言おうと心に決めた。
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