三年13

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 これは推測にすぎないし、さっきと同じように全くの思い違いということも十分にあり得る。  佐々木に恨みがある人物と言っても誰も思い浮かぶことはなく、今出来ることは何もなくなったことには変わりない。  佐々木は公園に着いた。  今日は晴天に恵まれ行楽日和だった。  そのため土曜日ということも相まって家族連れや恋人同士で来ている人が多かった。  空いているベンチを見つけたのでそこに座る。  今出来ることがないなら、まず高屋が襲われた事件の方を先に解決すべきだと思った。  そこからまた別の事実が出てくるかもしれない。  だけど、この公園で襲われたからといってここに来れば手がかりが残されていると考えたのは浅はかだったなと自分に呆れた。  視線の先では子供が父親とキャッチボールをしている。  子供が父親に向かって一生懸命腕を振って投げていた。  その親子はとても幸せそうに笑っている。  そんな様子を見ていると、今自分のいる状況が信じられなくなる。  同じ場所にいてもそれぞれに流れている時間はこんなにも違うのだなと思った。  ふと、前から男が近づいてくるのに気付いた。  始めは何となくこっちに近づいてくるなと思っていたが、次第に明らかに自分の方へ向かってきた。  そして佐々木の隣に腰を下ろした。 「よう。久しぶりだな」  男が話しかけてきた。  佐々木は驚いて見たが見覚えのない顔だった。  年齢は三十歳ぐらいで髪の毛は茶色に染めていた。  佐々木にはそんな知り合いはいない。  誰だ、こいつ?
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