三年14

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「ああ、そういうことか」  佐々木が後悔しているのが分かる。  始めからいいよと言っておけばよかったのに、変なことを言ったせいでもうOKの返事が出来なくなった。 「悪いけど、俺、高校入ったら勉強ばっかになるみたいだし、やめとくよ。本当にごめん」 「分かった。そうだよね。佐々木君、進学校に行くんだもんね。女の子と付き合ってる場合じゃないんだね」 「じゃあ、みんな待ってるから」と言って佐々木は立ち去った。  残された小林は涙を流していた。  由利はこれはいくらなんでも酷すぎると思い、佐々木の方を追いかけた。  佐々木はさっきの仲間のところへは行かず、駐車場に行き、車の陰に座った。  そして顔を伏せ、大きくため息をついた。  それはさも自分が振られたかのような雰囲気だった。
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