三年16

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「そうなのか?」  不意にリーダーが口を開いた。  喋らないと思っていた人間が急に喋ったものだからそこにいた誰もが言葉に詰まった。  その中でも一番に反応したのが佐々木だった。 「はい。偶然かもしれないけど、そうじゃないって考える方が話がつながってくるんです」 「自殺したって、前にニュースとかでやってた女子高生か?」  今度はひったくりが言った。   「おそらくそうです」  佐々木は淡々と喋っている。  感情を押し殺しているのが分かる。  高屋はなかなか話が進まないことにもどかしさを感じた。  さっき佐々木を怒らせてしまったが、それでも言わずにはいられない。 「回りくどいんだよ、お前は。こいつに犯人について訊きたいんだろ? そう言えばいいだろ」  やはり佐々木は煩わしそうに言った。 「物事には順序があるだろ。俺が回りくどいんじゃなくてお前が急ぎすぎなんだよ」  その時にリーダーが話し出した。 「俺の彼女も被害に遭ったよ。ぼろぼろになった。何とかして復讐してやろうと思ってた。それで彼女に犯人の特徴を聞いたんだ。そして君を見つけた。君は本当に犯人じゃないのか?」 「当たり前だろ。どう見たら俺が犯人になるんだよ」  高屋は今までの話を聞いてなかったのかと腹が立った。
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