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「それは犯人がこの子に罪を着せたかったからじゃないですか? 実際僕はそれでこの子を襲っちゃったし」
申し訳なさそうな顔でリーダーが言った。
「それはないと思うぜ。俺は元ひったくりだから分かるけど、犯罪をしようって人間はそういう小細工は最小限に留めたいもんなんだ。高校の制服なんてそう手に入るものじゃないし、すぐに足がついちまう。普通なら大量販売されてる無地のものを使うよ。しかも坊主頭なんて意地でも隠すべきだろ」
ひったくりの意見は佐々木が言っていたことと似ている。
この人はどう考えているのか知りたくなった。
「そうじゃなきゃ、どうしてだと思うんですか?」
「俺は犯人はそんなことだけで濡れ衣を着せられると思うほどのよっぽどの馬鹿か、もしくは捕まることを覚悟してるぐらい自暴自棄になってるかのどっちかだと思う。こんなに同じようなところで何回も犯罪を繰り返して逃げ切れるはずがないだろ」
「俺はその両方だと思います」
佐々木が口を開いた。
「犯人は二人組です。一人は自暴自棄になるほど俺のことを恨んでる奴、もう一人はそいつに乗せられて制服を着て坊主頭を晒すほど馬鹿な奴じゃないかって思います」
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