一年1

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 呼ばれたのは、佐々木と高屋だった。  ろくなことじゃないな、ということは直感的に知った。  高屋と並んで教卓の前で木島と向かい合う。 「もうそろそろ一週間も経ったし、クラスのことを決めないといけないんだ。そこでお前ら二人に学級委員長と副委員長をやってもらいたいと思ってる。佐々木はこの間の実力テストで一位だったし、高屋は中学の時、野球部のキャプテンだったんだろ。このクラスの中では、お前ら二人が適任だと思うんだ」  木島は機嫌を伺うような微笑でこちらを見てきた。  冗談じゃない、そんな面倒なこと押しつけられてたまるか、と佐々木は思った。  高屋もきっとそう思っているに違いない。  そう思って高屋の方を見ようとした時、その予想は裏切られることになった。 「いいですよ。そんな大事な役を俺たちがもらっちゃっていいんですか」  高屋がそんなことを言ってしまうものだから、呆気にとられてしまった。  ふざけるなよ、なんでお前が勝手に決めるんだ、と思った。  実際にそう口に出そうとするのだが、そんな佐々木を蚊帳の外に木島と高屋だけで話が進んでいく。 「そうか。助かるよ。また、明日か明後日ぐらいまでにどっちが委員長するか決めといてくれ」 「了解です。あ、俺たちだけで決めちゃっていいんですか? 他にやりたい人とかいないですかね?」   「いやあ、お前たち以外に適任はいないよ。じゃあ、そういうことだからよろしく頼むよ」
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