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「いい加減にしろよ! お前のせいで一人、死んでるんだぞ。何とも思わないのかよ」
高屋が大声で怒鳴った。
高屋も鈴木の覚悟に気付いているみたいだ。
「何で、僕のせいなんだ? その女の子が死んだのはその犯人のせいだろ」
鈴木はもう完全に安心しきっていて、見下しているようだ。
「お前!」
高屋は思いっきり膝を叩いて立ち上がった。
「高屋、止めろ」
「だけど、お前……」
「いいから座れ」
高屋の腕を引っ張って座らせた。
「まだ何かあるのか? もうそろそろ仕事をしないといけないんだけど」
鈴木はうすら笑いを浮かべていた。
言ったように佐々木にはこれ以上の証拠はなかった。
警察がまだ犯人を逮捕出来ないでいるのに、いち高校生である佐々木が証拠を見つけられるはずがない。
だけど、もう一つだけ、鈴木が犯人であれば決定的な、そしていち高校生である佐々木だからこそ掴んでいることがあった。
掴んでいるというよりかは、これも推測にすぎないのだが、はっきりとした確信がある。
出来ればこの話はしたくなかった。
もし自分以外がこんなことを言っていたらどうしていただろうな、と考えた。
間違いなく一笑に付していたはずだ。
それでもそう思わずにはいられないことだった。
「なぜ、小林が自殺したんだと思います?」
「え?」
鈴木の顔が固まった。
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