一年1

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 そう言い残し、木島は教室を後にした。  そして、佐々木と高屋だけが教室に取り残された。  まず、あの木島の満足げな表情に腹が立った。  そう言えば、木島のことが嫌いになったのはこの時だったようだ。  調子のいいことを言って面倒なことを押しつけられたのだ。  木島を追いかけようと一歩前に踏み出したが、落ち着いて考えてみれば、そもそも自分の存在を無視して安請け合いした高屋に責任の所在があるのだと思い至り、高屋の方を振り返る。  しかしそこにも、やはりと言うべきか、木島と同じ満足げな表情があった。  怒鳴りつけてやろうと思っていたが、その顔を見ると心の中で、そんな怒りの感情を呆れの感情が包み込んでしまった。  こいつは委員長を任されたことを本気で喜んでいる。そんな奴が今時いるのかと呆れた。  高屋に、「俺は委員長なんてしない」とだけ告げて、教室を出た。  その時の高屋はどんな表情をしていたのかは知らない。  こいつと関わりたくない。心の底からそう思ったので、最低限の言葉だけを残して去った。
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