エピローグ2

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 話は日曜日に戻る。  あのひったくりに月曜日に高屋を襲った犯人を連れてくると言われて、それまで出来ることが見当たらなかったので、佐々木は自分の部屋のベッドで横になっていた。  やることがないといっても、勉強をする気にはなれない。  だらだらと転がって寝返りを打つと、ポケットから、くしゃっと音が聞こえた。  何だと思ってポケットに手を突っ込むと紙が出てきた。  昨日、レンタルビデオ店でもらった連絡先が書かれた紙だった。  それをじっと眺めていると、一つのことが頭に浮かんだ。  自分の携帯電話に手を伸ばして、ボタンを押す。  何回か呼び出し音が鳴る。 「はい」  つながった。  今日もバイトをしているんじゃないかとつながらないことを覚悟でかけていたのでラッキーだった。 「佐々木です」 「おう、どうしたんだよ?」 「河合って人の連絡先分かりますか?」  彼はクラス幹事でクラス全員の連絡先が分かると言っていた。  彼に頼めば河合とコンタクトが取れるのではないかと期待した。  例え、連絡が取れたとしても会ってくれる保証はない。  それでも、今日は何もすることがないのであればダメ元で頼んでみようと思った。  最初、彼は驚いたような反応を見せた。  当然だと言えば当然だが、事情を説明するとその後すぐに、「お前も考えてることは一緒か」と言ってきた。 「実はな、昨日のバイト終わりに河合に連絡したんだよ。そしたらあいつもお前に会いたいって」  そう言うと彼は午後にはファミレスで会う約束まで取り付けてくれた。
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