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佐々木は約束の時間の少し前にファミレスに着いた。
まだ、河合は来ていないようだった。
とりあえず先に席に着くことにした。
案内してくれたウェイトレスには注文は後ですると言って河合を待った。
間もなく河合が入ってきた。
佐々木は手を振って合図する。
河合はこっちに気付き、手を挙げた。
河合は佐々木がいるテーブルまで来た。
「久しぶりだな。まあ、久しぶりって言うほど面識はないか」
「とりあえず何か頼みましょうか?」
「ドリンクバーでいいだろ。他にも何か頼みたいか?」
「いえ。ドリンクバーだけで十分です」
河合は店員を呼び、ドリンクバーを二つ注文した。
そして、佐々木の分の飲み物も取ってきてくれた。
「何か、雰囲気変わりましたね」
去年会った時には、もっとおどおどして、典型的ないじめられっ子という印象だった。
「俺か。そうだろうな。それもこれもお前らのおかげなんだろうな」
今は、高屋が昔、憧れていたという言葉が似合うぐらい堂々として、先輩と呼ぶのに相応しい気がする。
「そんなことよりも、高屋が襲われたっていうのは本当か? 大した怪我はしてないって聞いたけど」
「ああ、それはもう解決しました。怪我もしてないです」
「そうか。それは良かったな」
誰よりも河合がほっとしていた。
「あれ? じゃあ今日は何で俺を呼びだしたんだ?」
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