一年2

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「それでさ、話は変わるが、やっぱり俺たちで委員長やらないか」  高屋が言った。  一瞬、間が空いた。  それから、佐々木はあっ、という表情になった。おそらくそのことを忘れていたのだろう。 「昨日も言ったが、俺はやりたくない。と言うかやらない」  そうは言っているものの、心からの拒絶という感じではなかった。  もうひと押しすれば押し切れる気がした。 「そんなこと言わずにやろうぜ。俺さ、お前のこと、冷めたやつだと思っていたんだけど、昨日はかっこよかったぜ。あんなこと言えるやつはお前以外にいないよ。だから、俺はお前以外とはやりたくない」  高屋はそう強く言い切った。 「じゃあ、俺たち二人ともやらなければいいんじゃないのか?」 「お前、委員長が出来るのに、そんなチャンスをみすみす棒に振っていいのか?」  もはや責める口調になっていた。 「昨日も言ったが、お前は自分の感覚で決めつけすぎてる。誰もが委員長をやりたいわけじゃないんだよ」  高屋は、そんなこともないと思うけどな、とぼそぼそ言ったが、言われてみれば思い当てる節はある。  だけど、今はそんなことはどうでもいい。  すぐに顔の前で両手を合わせた。 「な、頼むよ。俺はお前とやりたいんだって」
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