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人は同じ目的を持って共に行動すると仲間意識が芽生える。
高屋の中には、昨日の出来事で佐々木と強く結ばれた気がしていた。
そして、何より昨日の佐々木の態度に感動した。
自分の信念を持って生きているというのは男から見ても格好いい。
その信念があるからこそ、普通は喜んで受け取るはずのお礼を受け取ろうとしなかったのだ。
こいつと一緒にやりたい。そう強く思った。
佐々木は懇願している高屋に同情したのか、根負けしたというような表情をし、小さく息を吐いた。
「分かったよ。引き受けるよ。だけど、俺は副委員長だからな」
「当たり前だろ。お前、自分が委員長できると思っていたのか。図々しいやつだな」
高屋は真顔で言い返した。
すると、佐々木の顔が鳩が豆鉄砲を食ったようになったので、それが可笑しく、笑ってしまった。
佐々木もそれにつられて照れくさそうな笑みを浮かべた。
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